高千穂峡を訪れるなら、ぜひ「あまてらす鉄道」にも足を運んでみてください。この鉄道は、1972年に国鉄の高千穂線として開業しましたが、2005年の台風で橋が流され廃線となった後、観光用に再生されたトロッコ列車です。
場所は、熊本市の東に位置し、熊本市から車で約1時間半の所にあります。
今回は、あまてらす鉄道の魅力について紹介します。
1. 絶景の楽しさ
あまてらす鉄道は、かつての鉄道路線を開放感のあるのトロッコ列車で走りながら、ひんやりとしたトンネル内や、木々の間を通る景色を楽しむことができます。
特に、最も印象的なスポットは、東洋一と言われていた高さ105メートルの鉄橋からの眺めは絶景そのものです。橋の上では風を感じ、揺れる橋やブレーキの甲高い音を聴かせてくれるトロッコに乗りながらながら見渡す景色は、スリルも相まって最高のアトラクションです。
2. ユニークなマイクパフォーマンス
あまてらす鉄道のスタッフによるマイクパフォーマンスも旅を楽しくしてくれます。一番の見どころである鉄橋の前では、トロッコを停車させ風速の確認と進行可否判断の説明をしてくれます。
そこから無事進む判断をした列車は鉄橋の最高地点まで進んだ所で停止し、そこでは立ち上がって周りの景色を楽しむ事ができます。
その際にスタッフがシャボン玉を使ったパフォーマンスが行われ、周りの景色の解説や風に流れるシャボン玉の消え方などに対するユーモラスな解説が楽しめます。
3. 個性的なトロッコの燃料
トロッコ列車はディーゼルエンジンで動いており、その燃料には天ぷら油や豚骨ラーメンのスープが使われている点がとてもユニークです。走行中に豚骨の香りがする、というユーモラスな説明もあまてらす鉄道の楽しさの一つで、乗った際にはぜひ香りも楽しんでみてください。
4.あまてらす鉄道の歴史
1972年に国鉄の高千穂線として開業しましたが、2005年の台風14号で2つの鉄橋が流され、壊滅的被害により廃線を余儀なくされた宮崎県の旧高千穂鉄道。その復旧には約26億円という多額の費用がかかり、当時の運営にはその資金はなかったため廃線を余儀なくされました。
廃線の翌年、様々な人々の人生に寄り添い、思い出の詰まった鉄道をなんとか復興することはできないかと有志により会社が設立されましたが、復興の道のりは容易ではなく、会社の解散や再スタートなどの苦難を経て2012年からは休日に高千穂あまてらす鉄道オリジナルの車両「スーパーカート(定員18名)を走らせるまで復興。
その後、今の「グランドスーパーカート(定員60名)」へと変わり、2022年8月からは、環境にも配慮しバイオディーゼル燃料での運行もスタートしました。
↓あまてらす鉄道の詳しい歴史はこちら
5. 30分間の充実した列車旅
全体の所要時間は約30分ですが、子供から大人まで楽しめる内容です。トロッコは往復し、帰路ではあまてらす鉄道の歴史についても詳しい解説がされます。駐車場は朝早くに満杯になることが多いので、できれば朝一番の乗車をおすすめします。
高千穂観光の際は、ぜひ「あまてらす鉄道」にも足を運んでみてください。