みなさんは日本一の砂丘と聞いて思い浮かべるのは「鳥取砂丘」ではありませんか?
しかし、鳥取県の誇る「鳥取砂丘」は観光できる砂丘としては日本最大級ですが、
日本最大ではありません。
または青森県にある「猿ヶ森砂丘」が比較としてよく出ます。
防衛装備庁の施設があるため正確には出ないが、総面積15,000haもあり
鳥取砂丘の約30倍ということから、日本最大ということも言われていたりします。
えっ! 青森県にそんな砂丘ってあったっけ?
しかも面積ってそんなにも違うの?
結論から言いますと、「鳥取砂丘」は観光地として認識されている千代川の東側にある
「浜坂砂丘」のことを一般的に指し、ここの面積は545haほどです。
しかし、観光以外の場所も含めて考えると2,400haにもなります。
かたや「猿ヶ森砂丘」は、東通村の太平洋側の海岸沿い南北約17km、
東西は最大で2kmとされていることから長方形として計算すると、
面積34k㎡=3400ha程度です。
ここについてまとめていきたいと思います。
砂丘の定義
「砂丘」とは『海岸付近の起伏のある砂浜』ではなく、
『風によって運ばれた砂が堆積してできた丘状の地形』のことを指します。
なので、植生に覆われていたり農地や市街地に活用されていても「砂丘」である場所があります。
鳥取砂丘の例では、観光地の西側に位置する「コナン空港」あたりも砂丘にあたり、
そこの面積も含めて考える必要があります。
なぜ「猿ヶ森砂丘」の面積が15,000haとなってしまったか?
とあるウェブサイトで『東通村の海岸砂地面積は約15000haあり、その多くの面積を占めている
猿ヶ森砂丘(を含む東通村太平洋岸の砂丘)が1かたまりの砂丘としては面積日本最大である
と考えられる。』という一文がきっかけと考えられます。
そこから「15000haの大部分が猿ヶ森砂丘」が「猿ヶ森砂丘が15000ha」に誤解され、
拡散してしまったようです(こちらのサイトで解説して頂いてます)
「鳥取砂丘」と「猿ヶ森砂丘」を比較
鳥取砂丘 | 猿ヶ森砂丘 | |
所在県 | 鳥取 | 青森 |
面積 | 観光地面積 545ha (実際は2,400ha) | 約3,000ha |
観光 | 全面可能 | 一部可能 |
年間観光者数 | 287万人 | ? |
猿ヶ森砂丘:猿ヶ森砂丘の大部分が防衛装備庁の下北試験場となっており、一般人の立ち入りが禁止されています。ただし、砂丘の一部を見学することは可能ですが、自衛隊の施設に近づきすぎないように注意が必要です。
日本最大の砂丘はどこ?
長さから考えると、全長の長さが約47kmにも及ぶ鹿児島県の「吹上浜」や
全長70kmの新潟県にある「新潟砂丘」は日本最大級と思われます。
ただ、どちらも幅が不明であり、マップから見るに0.1~0.5mであり、
面積という意味では「猿ヶ森砂丘」の方が大きいかもしれません。
まとめ
砂丘の範囲を決めるには『風によって運ばれた砂の堆積している箇所』を考慮する必要があり
それは必ずしも一定ではありません。
特に海岸線沿いは干潮と満潮とでも見かけ上変化してしまうため、砂丘として判断する
場所の特定は難しいですね。
そういった意味で、「猿ヶ森砂丘」は比較的海岸線より陸地にまで砂地が広がっており
面積も大きく考えれることから、日本最大級であることは間違いないです。