「あぁ、たった1時間でいいから、一人で静かにカフェに行きたい」
「誰にも蹴られず、朝までぐっすり眠りたい」
毎日慌ただしく子育てをしていると、ふとした時に「一人の時間」を強く求めてしまうこと、ありますよね。 でも、いざパパやご家族に子どもを預けて一人で出かけてみると、
「せっかくのお休みなのに、子どもと離れてよかったのかな」
「私って、自分勝手な母親なのかな」と、
なぜか休むことに『罪悪感』を抱いてしまう……。そんな心優しいママはとても多いものです。
「母親なんだから、いつも子どもを優先するのが当たり前」
「自分を後回しにしてこそ、愛情深いママだ」
私たちは無意識のうちに、そんなプレッシャーを自分自身にかけてしまっているのかもしれません。
でも、自分の充電が切れるまで我慢を続けると、結局余裕がなくなって子どもにきつく当たってしまい、また自己嫌悪に陥る……という悪循環になってしまいます。
そんな「休むことに申し訳なさ」を感じてしまう心に、そっと寄り添ってくれる仏教の言葉があります。
それは「自利利他(じりりた)」という教えです。

「自利」とは、自分自身を喜ばせ、幸せにすること。「利他」とは、大切な他者(子どもや家族)を喜ばせ、幸せにすることです。
私たちはつい「自分を満たすこと(自利)」と「他人に尽くすこと(利他)」は別の問題であり、時に自己犠牲こそが尊いと考えがちです。
しかし仏教では、「自分を幸せにすることと、他人を幸せにすることは、実はまったく同じこと(一体)である」と説いています。
これをお母さんの心に置き換えるなら、「心のティーポット」を想像してみてください。
もし、ママの心のティーポットがカラカラに乾ききっていたらどうでしょう。
子どもに「あたたかいお茶(愛情や笑顔)」を注いであげたくても、何も出てきませんよね。
無理をして空のポットを傾けても、出てくるのは「どうして私ばっかり!」というイライラだけになってしまいます。
子どもにたっぷりのお茶を注いであげるためには、なによりもまず、ママ自身のティーポットにあたたかいお湯を満たしておく必要があるのです。
一人でおいしいコーヒーを飲む時間、好きなスイーツを食べる時間。
少しだけ布団で長生きする時間。
これらは決して「自分勝手なわがまま」ではありません。
家族に笑顔を注ぐための「立派な心のメンテナンス」なのです。
「私が休むことは、家族を笑顔にするためなんだ(自利利他)」 そう見方を変えてみると、ご自身を大切にすることへのハードルが少し下がりませんか?
今度、パパにお願いして一人でお出かけしたり、ゆっくりお風呂に入れたりしたときは、どうか「ごめんね」と自分を責めないでくださいね。
「あぁ、今、私のティーポットに温かいお湯が満たされているな」と、たっぷりその時間を味わってください。
そして少しだけ肩の荷を下ろしたら、また明日から、お子さんにやさしい笑顔をたくさん注いであげてくださいね。


