「もう!できない!」「やだー!」 積み木が崩れただけで大泣き。
お絵かきが少しはみ出しただけで怒って紙をぐちゃぐちゃに……。 そんな、ちょっとした失敗ですぐにかんしゃくを起こしたりする姿を見て、どう対応していいか分からず途方に暮れることはありませんか?
「うちの子、少し短気すぎるのかな」
「私が甘やかしすぎたせい?」
と、ご自身の育て方を責めてしまうママも多いかもしれません。
「ほら、泣かないの!もう一回やればできるよ!」と懸命に励ましても、火に油を注ぐようにヒートアップ。毎日こんなふうに感情をぶつけられると、ママだってぐったり疲れてしまいますよね。
でも、どうかご自身を責めないでください。
子どもがすぐに泣いたり怒ったりするのは、ママの育て方のせいではありません。
実は、子どもの「感情の育ち方」には、ある大切なステップの最中なのです。
専門的な言葉で「感情の共同調整(きょうどうちょうせい)」という心のメカニズムがあります。

少し難しく聞こえますが、やさしく言い換えるなら「安心のレンタル」です。
私たち大人は、イライラしたときに深呼吸をしたり、コーヒーを飲んだりして、自分で自分の感情を落ち着かせる「心のブレーキ」を持っていますよね。
しかし小さな子どもは脳が発達の途中にあり、この「ブレーキ」をまだ上手く持っていません。
大きな感情の波に飲み込まれると、一人ではどうやって落ち着けばいいのか分からないのです。 そんなとき、大人に「落ち着き」や「安心感」を借りて、少しずつ自分の波を静める練習をしているのです。
たとえば、思い通りにいかずに大泣きしているとき。
「こうやればいいんだよ」
「泣かなくても大丈夫でしょ」
と“解決策”を教えようとするのを、ほんの少しだけストップしてみます。
まずは
「うまくできなくて悔しかったね」
「びっくりしたね」
と、子どもの感情の波に寄り添ってみてください。
背中をトントンしたり、ぎゅっと抱きしめたりしながら、ママ自身のゆったりとした呼吸を子どもに伝えてあげるイメージです。
子どもは、ママの穏やかな声や温かい体温を通して、「そっか、今は落ち着いてもいいんだ」という感覚を借りて、ゆっくりと心のブレーキの踏み方を学んでいきます。
とはいえ、「毎日忙しくてママだってイライラする!」「いつも仏様のように優しくなんてできない!」というのが本当のところですよね。
それで、まったく問題ありません。ママだって感情を持った一人の人間です。
「これ以上は自分も怒ってしまいそう」と思ったら、少し距離を置いて深呼吸をしても大丈夫。毎回完璧に「安心のレンタル」ができなくても気にしなくていいのです。

「どうしてすぐに怒るの?」と途方に暮れたときは、「あ、今は一人でブレーキを踏めなくて困っているんだな。少しだけ私の安心を貸してあげよう」と見方を変えてみてください。
あなたが毎日悩みながらも、一生懸命にお子さんと向き合っていること自体が、お子さんにとって最大の「安心の基地」となっています。
ママの愛情という安心を何度も借りながら、子どもは少しずつ自分の心のブレーキを作っていきます。
焦らず、どうか肩の力を抜いて、あなたらしいやさしい子育てを続けてくださいね。


